数字でみる「台風」その1-定義・勢力分類・統計値

台風12号が変な経路をとって、日本に上陸している。

 

台風12号(2018)の予想進路

台風12号経路

出典:朝日新聞社

 

ということで今日のテーマは「台風」だ。

台風の定義

まずは定義から。気象庁から引用してみよう。

熱帯の海上で発生する低気圧を「熱帯低気圧」と呼びますが、このうち北西太平洋(赤道より北で東経180度より西の領域)または南シナ海に存在し、なおかつ低気圧域内の最大風速(10分間平均)がおよそ17m/s(34ノット、風力8)以上のものを「台風」と呼びます。

これが日本の気象用語の台風の定義で、国際的なタイフーン: typhoonの定義は、世界気象機関(WMO)により最大風速33m/s以上のものとされている。ややこしい。

さらに、タイフーンサイクロンハリケーンは同じ気象現象で、発生場所により呼び名が違うだけ。

Hurricane, cyclone and typhoon are different terms for the same weather phenomenon: torrential rain and maximum sustained wind speeds (near centre) exceeding 119 kilometers per hour:

▶In the western North Atlantic, central and eastern North Pacific, Caribbean Sea and Gulf of Mexico, such a weather phenomenon is called “hurricanes“.
▶In the western North Pacific, it is called “typhoons
▶In the Bay of Bengal and Arabian Sea, it is called “cyclones
▶In western South Pacific and southeast India Ocean, it is called “severe tropical cyclones
▶In the southwest India Ocean, it is called “tropical cyclones
出典:WMO

下図がわかりやすい。

出典:【雑学】 台風 ハリケーン サイクロンの違い!| 虹色りぽーと

台風の勢力の目安:大きさと強さ

次は非常に強いとか超大型とかいう枕詞についてだ。これも定義がある。

気象庁による分類では、台風の勢力は風速(10分間平均)をもとに「大きさ」と「強さ」で表現される。

  • 大きさ: 強風域(風速15m/s以上の風が吹いているか、吹く可能性がある範囲)の半径
  • 強さ:  最大風速

注) 強風域の半径が500km未満の場合には大きさを表現せず、最大風速が33m/s未満の場合には強さを表現しない
   風速25m/s以上の風が吹いているか、吹く可能性がある範囲を暴風域と呼ぶ

強さの階級分け

階級 最大風速
強い 33m/s(64ノット)以上~44m/s(85ノット)未満
非常に強い 44m/s(85ノット)以上~54m/s(105ノット)未満
猛烈な 54m/s(105ノット)以上

大きさの階級分け

階級 風速15m/s以上の半径
大型(大きい) 500km以上~800km未満
超大型(非常に大きい) 800km以上

参考までに、日本地図と比較すると下図のような感じ。超大型の場合、本州が強風域にすっぽり収まる。

台風の強風域の半径

強風域の半径が600kmで、最大風速が50m/sの場合「大型で非常に強い台風」となるわけだ。

細かい風速のはなし
  • 最大風速」は10分間の平均風速の最大値
  • 最大瞬間風速」は瞬間風速の最大値

 

風速の目安

台風とその勢力の定義がわかったところで、強さの基準である風速について、実際風速何mでどういう状態になるのかみてみよう。

ビューフォート風力階級と呼ばれるいい感じの階級表を引用する。

風力階級 呼称 地上10mでの風速(m/s) 陸上の様子
    0 平穏(へいおん)  0~0.2m/s 煙はまっすぐ昇る。
Calm
    1 至軽風(しけいふう)  0.3~1.5m/s 煙は風向きが分かる程度にたなびく。
Light air
    2 軽風(けいふう)  1.6~3.3m/s 顔に風を感じる。木の葉が揺れる。
Light breeze
    3 軟風(なんぷう) 3.4~5.4m/s 木の葉や小枝が揺れる。
Gentle breeze
    4 和風(わふう) 5.5~7.9m/s 砂埃が立ったり、小さなゴミや落ち葉が宙に舞う。
Moderate breeze
    5 疾風(しっぷう)  8.0~10.7m/s 葉のあるかん木が揺れ始める。
Fresh breeze
    6 雄風(ゆうふう) 10.8~13.8m/s 木の大枝が揺れ、傘がさしにくくなる。電線が唸る。
Strong breeze
    7 強風(きょうふう) 13.9~17.1m/s 大きな木の全体が揺れ、風に向かって歩きにくい。
英Moderate gale、米High wind
    8 疾強風(しっきょうふう)  17.2~20.7m/s 小枝が折れる。風に向かって歩けない。
英Fresh gale、米Gale
    9 大強風(だいきょうふう) 20.8~24.4m/s 屋根瓦が飛ぶ。人家に被害が出始める。
Strong gale
   10 全強風(ぜんきょうふう) 24.5~28.4m/s 内陸部では稀。根こそぎ倒される木が出始める。人家に大きな被害が起こる。
Whole gale
   11 暴風(ぼうふう)  28.5~32.6m/s めったに起こらない。広い範囲の被害を伴う。
Storm
   12 颶風(ぐふう) 32.7m/s以上 被害が更に甚大になる。
Hurricane

台風に少なくとも強いという形容詞が付いた時点で、風力階級は最高の12。

颶風(ぐふう)なので、くれぐれも外に出てはいけない。

台風の統計値

台風に関する統計値をみていこう。(全て気象庁から引用)

発生数、接近数、上陸数

年間
発生数 25.6
接近数 11.4
上陸数  2.7

値は全て1981年~2010年の30年平均値(平年値と呼ばれる)

「接近」・「上陸」の定義

接近: 台風の中心が国内のいずれかの気象官署から300km以内に入った場合

上陸: 台風の中心が北海道、本州、四国、九州の海岸線に達した場合

年別ランキング

最多の年
(数)
最小の年
(数)
<平年値>
発生数 1967
(39)
2010
(14)
<25.6>
接近数 2004, 1966, 1960
(19)
1973
(4)
<11.4>
上陸数 2004
(10)
2008, 2000, 1986, 1984
(0)
<2.7>

時期ランキング

日時が最も早い台風 日時が最も遅い台風
台風番号 日時 台風番号 日時
発生 7901 1979年1月2日09時 0023 2000年12月30日09時
上陸
【上陸場所】
5603 1956年4月25日07時半頃
【鹿児島県大隅半島南部】
9028 1990年11月30日14時頃
【和歌山県白浜町の南】

冬に台風!

 

上陸時(直前)の中心気圧が低い台風

順位 台風番号 上陸時気圧
(hPa)
上陸日時 上陸場所 *1 被害
(死者・行方不明者数)
6118 *2 925 1961年9月16日09時過ぎ 高知県室戸岬の西 202
2 5915 *3 929 1959年9月26日18時頃 和歌山県潮岬の西 5098
3 9313 930 1993年9月3日16時前 鹿児島県薩摩半島南部 48

*1:当時の市町村名等で示す    *2:第二室戸台風    *3:伊勢湾台風

台風の強さは、最大風速で定義されるといったが、中心気圧が低い方が風速は大きくなると捉えておこう。

(上陸時の)中心気圧が930hPaを下回る台風は歴史上数えるほどしかないのだ。


 

とりあえず、今回はここまで。探ってみると奥が深いので、定義などの一般論でおわってしまった。

日本に住んでいるならば防災の面から台風に関する知識は必須だと思う。よって、もう少し追加で掘り下げたい。

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