東京医科大学の女子への減点問題が話題だ。
今日は大学受験にまつわる数字をみてみたい。
東京医科大学の件も最後に少し取り上げている。
センター試験からみる受験
大学入試センター試験(National Center Test for University Admissions)とは、独立行政法人大学入試センターによって、例年1月13日以降の最初の土曜日・日曜日の2日間にわたって行われる、日本の大学の共通入学試験である。かつての国公立大学共通第1次学力試験が大学共通第1次学力試験と改められ、さらに改称して現在に至る。正式名称は「大学入学者選抜大学入試センター試験」。
独立行政法人大学入試センターによると、2018年1月13~14日において行われた平成30年度大学入試センター試験の志願者数は58,2671人。対前年度6,704人増(1.2%増)。
日本の18歳人口は、、2009~2020年頃(平成21~32年頃)まで約120万人でほぼ横ばいで推移する。
出典:18歳人口と高等教育機関への進学率等の推移 – 内閣府(pdf)
センター試験志願者のうち現役生数(高等学校)は47,3570で、全志願者の約8割となる。
概ね全国の18歳の約4割が受験する試験といえる。
ちなみに、平成30年3月の高等学校等新規卒業見込者は約106万人とされているので、全有資格者からみるとセンター試験受験志願者は約55%と半数を超える。
浪人生は10,3948人で全志願者に対する割合は約18%。浪人生の割合をみると1浪71%、2浪人12%、3浪以上17%となる。
大学全入時代
大学全入時代とは、2009年頃(細かい年は諸論分かれる)に日本の大学への入学希望者総数が入学定員総数を下回る状況を迎えるとされる状況を指す言葉である。
河合塾の調査によると、大学進学希望者数は68万人となっており(18歳人口に対する比率は、約58%)、大学全入時代とは大学の受け入れ総数も同程度になるということになる。
文科省の平成29年度学校基本調査(確定値)によると、高等学校卒業者のうち大学・短大進学率(現役)は54.8%で、全入という言葉の通り実際に選り好みしなければどこかに入れている現状といえる。
大学の数と在学者
平成29年度学校基本調査(確定値)によると、大学、短期大学、高等専門学校の数とその在学者数はそれぞれ下記の通り。
- 大学:780(国立86/公立90/私立604)、在学者数 2,890,880
- 短期大学:337(国立-/公立17/私立320)、在学者数 123,949
- 高等専門学校:57(国立51/公立3/私立3)、在学者数 57,601
大学入試のお金事情
受験料
- センター試験: 3教科以上 18,000円、2教科以下 12,000円、成績開示をする場合 +800円
- 国公立大学・2試験(平均):17,000円
- 私立大学・一般(平均):約35,000円
※歯学系・医学系では40,000円~60,000円かかる場合もあり
参考 : 2018年度 私立大学・短期大学受験料一覧 – Kei-Net(PDF) - 願書代:私立大の場合、願書取り寄せに1,000円程度必要
上記に加えて、受験校から遠方に済むの場合は、交通費と宿泊費が必要となる。
そして、本命校の合格発表の前に滑り止めの併願校の入学手続きの期限が来てしまう場合も少なくない。
2月の私立大入試の入学手続きの締め切り日は、たいてい国公立大の合格発表前だ。
併願校の入学資格を保持しておくには、1校につき30万円近くの入学金がかかる。
結構な額である。
果たして諸々いくらかかるのか?
東京私大教連が発表した「私立大学新入生の家計負担調査(2017年度)」では、自宅外通学者の受験費用は平均24万6500円、受験から入学までに要する総額は216万円にのぼるという。
国立大だったとしても、入学金と初年度授業料で約82万円、住居費なども含めると100万円超の出費となる。
親御さんは大変である。
受験から入学までの費用(住居別)
人気の学部
今どきの人気の専攻はなんなのかをみてみたい。
グラフは平成29年度学校基本調査(確定値)より、4年制大学学部の「入学志願者」及び「入学者」を、入学志願または入学した関係学科により分類したもの。
概ね志願者の比率と入学者の比率は等しい。
入れるところを志願しているといってもいいかもしれない。
続いて、入学者の専攻ごとの男女比率をまとめた。
(11科学分野/76学科系統 文科省学科系統分類表による)
医学部の男女比率
医学部医学科は、全国統計でみると
- 志願者比率:男62.4%、女37.6%
- 入学者比率:男64.8%、女35.2%
- 志願者男女比率と入学者男女比率の差:2.4%(女子が減少)
と特に他学科と比較して志願者と入学者の男女比の変化が歪だということはない。
※先のグラフで示した76学科系統の志願者と入学者の男女比率の差は平均2.8%
では、話題の東京医科大学の場合はどうか。
データは、全国に30校ある男女共学の私立大学医学部のうち、2018年度一般入試(一部17年度を含む)の受験者数、最終合格者数の男女比が明らかになっている13大学のもの。
確かに全国平均からみると歪な実態だと言わざるを得ない。
特に東京医科大学は、聖マリアンナ医科大学と並んで、最も受験者と合格者の女子比率の差が大きい。
以上。
この記事は入試に限った話だけど、“教育”ってお金がかかる…